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着物 種類と格付け|TPO別おすすめ一覧

今回は着物の種類についてご紹介します。着物選びで大切なのは、「どんな場面で何を着るか」です。場面に合わせて、着物は大きくフォーマル・カジュアルの2つに分かれます。

——- フォーマル ——-

  • 黒留袖:既婚女性の第一礼装。結婚式の親族などに着用
  • 色留袖:結婚式などの礼装。既婚・未婚問わず着用可
  • 振袖:未婚女性の第一礼装。成人式や結婚式に着用
  • 訪問着:準礼装。式典やパーティーなどに着用
  • 付下:準礼装。訪問着より少し略式。お茶会やパーティーなどに
  • 色無地:紋と帯で格を調整できる
  • 江戸小紋:紋と帯で格を調整できる

——- カジュアル ——-

  • 小紋:日常着として。柄や色が豊富
  • 江戸小紋:帯で格を調整でき、セミフォーマルからカジュアルまで
  • 紬:普段着の定番。上部で着やすい
  • 木綿着物:最もカジュアルな着物。普段使いに

■ 黒留袖

見た目の特徴

  • 黒地に五つ紋付き(背中に1つ、左右の胸と外袖に各1つずつ)
  • 裾だけに模様があり、広げると脇で柄がつながっている(絵羽模様と呼ばれる)
  • 柄は松竹梅、鶴亀、花車、吉祥文様や有職文様・正倉院文様などが主流
  • 袖の長さは標準(約49cm)
  • 比翼と呼ばれる白い布が衿と裾に付いていて、白い着物をもう1枚重ねて着ているように見える(比翼仕立て)

最も格の高い、既婚女性が着用する着物です。新郎・新婦のお母様やご親族の方々が、お子様の結婚式に着られることが多いです。最近は結婚式の際に仲人を立てないスタイルが多くなっていますが、仲人の方も結婚式で留袖を着ます。
半衿・長襦袢は白を着用し、帯締め・帯揚は白地に金銀の入ったものを合わせます。末広と呼ばれる扇子も必要です。

■ 色留袖

見た目の特徴

  • 黒以外の地色(薄青、薄紫、ベージュなどの淡い色が多い)
  • 黒留袖同様に裾だけに模様があり、絵羽模様
  • 袖の長さは標準(約49㎝)
  • 黒留袖との違いは目的によって紋の数が変えられる(五つ紋・三つ紋・一つ紋)
  • 五つ紋は一番格が高く、その場合は黒留袖同様、比翼仕立てに仕立てる

既婚・未婚関係なく着られる着物で、結婚式でご親族の方が着られることが多いです。黒留袖と同じように五つ紋で比翼仕立てにすると、黒留袖と同格で着ることができます。

■ 振袖

見た目の特徴

  • 袖の長さは他の着物より長い(約1m前後)
  • 着物全体に柄がある
  • 鮮やかな色使いで、他の着物よりも柄が大きいものが多い
  • 一般的には絵羽模様になっているが、最近では小紋柄や無地のものもある

未婚女性の第一礼装として、成人式や結婚式などで着用します。成人式では未婚・既婚関係なく振袖を着ることがほとんどで、その他、卒業式・ご親族やご友人の結婚式の際にも着用できます。また、年齢や未婚・既婚に関係なく立場や場面によって着るにふさわしいかが変わってきます。

■ 訪問着

見た目の特徴

  • 一つ紋から三つ紋付きも可能。最近ではほとんどが紋無し
  • 全体に柄が入り(胸・肩・袖・裾)、絵羽模様
  • 色柄や技法は様々で立場や着用場所・季節に応じて選択

パーティーやお食事会、観劇などに着る着物で、「~式」と呼ばれる場にふさわしい着物です。主役の場合は豪華な色柄や濃い地色のものでも可能ですが、(主役の)誰かのために着る場合は、淡い色目や控えめの柄を選ぶと良いでしょう。

■ 付下

見た目の特徴

  • 最近では紋無しが一般的
  • 柄付けは特徴的で左胸・裾・左内袖・右外袖のみで、柄はつながっていません
  • 柄がつながっているものや、袖と裾のみの柄付けのものもある
  • 衿に柄は入らない

訪問着よりもやや略式な装いです。お茶会やお食事会などに着る着物で、色柄の選び方は訪問着と同じです。着用シーンは訪問着とほぼ同じですが、より格式高い装いを望まれる場合は、訪問着を選ぶのがベストです。

■ 色無地

見た目の特徴

  • 柄がなく、黒以外の一色で染められている
  • 地色や地紋は様々で用途によって選ぶ
  • 紋無し・一つ紋など用途によって使い分けることができる

一つ紋(紋無し)でお茶会や、お子様の入学式・卒業式などに着用します。紋が無い場合でも金糸銀糸の帯をするとフォーマルに着ることができます。
紋を入れなければ、帯や小物でカジュアルシーンにも活用できるので、最近ではお稽古をされている方以外は紋を入れずに仕立てる方が多いです。
このように色無地は紋や帯で用途が変えられる応用の効く着物です。 また、慶弔両用で着ることができ、その場合は落ち着いた色目のものを選び、おめでたい柄の地紋は避けます。

■ 江戸小紋

見た目の特徴

  • 極めて細かい柄が規則正しく並んでいる
  • 遠くから見ると無地に見える
  • 江戸小紋の代表的な柄は鮫、角通し・行儀で小紋三役と呼ばれる
  •  紋無し・一つ紋など用途によって使い分けが可能である

江戸時代から伝わる伝統的な染め方で作られた着物です。細かい柄が特徴で、一つ紋付きなら、お茶会や式典などフォーマルとして、 紋なしなら普段のお出かけなどのカジュアルシーンに着ることができます。江戸小紋も色無地と同じように、紋や合わせる帯によって用途を変えることができます。

■ 小紋

見た目の特徴

  • 繰り返し模様が基本である
  • 柄の種類や大きさ・色使いは多様である
  • 柄がつながっているものや、袖と裾のみの柄付けのものもある
  •  紋は付けない

未婚・既婚に関係なく着られる普段着の着物です。日常的なお出かけに適した着物で、お買い物やランチ、カフェなどに着ていけます。色や柄は豊富で、総柄や縞模様、小付の柄や大柄・飛び柄など様々です。

■ 紬(つむぎ)

見た目の特徴

  • 織の着物(その他は染めの着物)である
  •  節(ふし)のある独特の風合いを持つ
  • 織物ならではの特徴で、表も裏も同じような見た目となっている

紬は全国各地で織られており、その地名が紬の名前となっているものが多いです。小紋と同じで既婚・未婚関係なく着られる着物で、食事やお買い物・美術館見学や旅行など、日常のお出かけに適しています。
基本的には紬はカジュアル着物ですが、紬の生地に染色をした色無地や訪問着などもあります。これらは染色の仕方に準じて着る場所が決まりますが、染めの着物より格は下がるので、着る場面や立場に注意が必要です。

■ 木綿の着物

見た目の特徴

  • 縞や絣など、シンプルな柄が中心である
  • 色使いは様々で柄合わせで印象が変化する
  • 素朴な風合いと独特の手触りがある

気軽に着られる普段着の着物です。自宅で洗えてお手入れが簡単で、シワになりにくく、日常使いに最適です。木綿は肌触りが良く、吸湿性に優れているため、着心地も抜群です。「洗える紬」感覚で着物好きの方から、「冬の浴衣」感覚で初心者の方まで幅広く人気があります。

今回ご紹介した内容は、着物選びの基本的な考え方です。着物は、着用される方の年齢や立場、またどのような場面で着られるかによって、ふさわしい装いが変わります。そのため、これらの基本を理解しつつ、状況や好みに合わせて、最適な着物を選ぶことが大切です。